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マンションなどの集合住宅を選ぶ際、外観や間取り、設備に気を取られがちですね。しかし、もう一つ忘れてならないのは排水設備です。目に付きにくい設備ではありますが、建物の価値や寿命を決める上で重要なのです。

「排水」とは？

集合住宅で排水というと、一般的に汚水と雑排水を意味します。汚水はトイレからの排水であり、雑排水はトイレ以外の台所や浴室、洗面所からの排水を指します。このほか、屋上や敷地に降り注いだ雨は、雨水として処理されます。
集合住宅の排水方法は、合流式と分流式 の２タイプがあります。前者は汚水と雑排水を同じ排水管で流す方式です。後者は汚水および雑排水と雨水を別々に分けて流す方式です。これらは地域の規制に応じて採用されます。

排水管にはどんなものがある？

一口に排水管といっても、鉄や樹脂などさまざまな材質のものがあり、設備や用途に応じて使い分けられています。鉄製品では汚水管などに使用される鋳鉄管、雑排水管などに用いられる炭素鋼鉄管があります。一方、樹脂製品ではビニルパイプが専有部分で多用されています。近年は鉄管に樹脂をコーティングしたものや、樹脂管の回りをセメントで固めたものなど、複合材料の排水管も普及しています。
なお、排水管の中で重要なのがトラップです。これは排水管から臭気や有害ガスの逆流を防ぐための部品です。洗面所のシンク下についているU字型などのパイプがトラップで、ここに水をためることで臭気の逆流を防いでいます。