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普及が始まったオストメイト対応トイレ
近年、食生活における脂肪摂取量の増加や、食物繊維の摂取不足などを背景に大腸がんが増加しています。それにともなってオストメイト人口が増加傾向にあることから、社会の理解とともにオストメイト対応トイレの整備が急務となっています。
オストメイトとは?
オストメイトとは、大腸ガンや膀胱ガン、炎症性疾患などを治療するために、肛門や膀胱を切除して、腹部より排せつを行わねばならない排せつ機能障害を持った方のことです。
学校や職場、旅行、スポーツなどの場では行動に特に制約を受けることはなく、外見では見分けがつかないものの、日常の排せつ行為の際にさまざまな苦労をともないます。
現在、日本のオストメイト人口は約20万から30万人と推定されています。
ストーマと装具
手術によって取り付けられた人工肛門や人工膀胱をストーマと呼びます。ストーマは主に3 種類あり、腹部に取り付けられて結腸に作られるものをコロストミー、小腸の回腸の部分に作られるものをイレオストミー、尿を排出するためのものをウロストミーといいます。
排せつはストーマを通じて行いますが、括約筋がないため排せつを自由にコントロールすることができません。そのため、ストーマに装具を取り付けて便や尿を処理します。通常装具はストーマ周辺の皮膚に密着させています。
オストメイト対応トイレ
オストメイトは特に問題がなければ、一般のトイレでも排せつが可能です。しかし、装具の扱いに慣れない場合、または装具が外れるといった事態が発生した際には、オストメイト対応トイレが必要となります。
オストメイト対応トイレには、装具の洗浄、衣服の洗濯などのための温水シャワーのついた汚物流し台、装具などを置くカウンター、ストーマ周辺を映す下部に設置された鏡、着替えのための着替え台などが設置されています。また、トイレの入り口には「オストメイトマーク」を表示することで、対応トイレであることを表示しています。
バリアフリー新法について
「どこでも、だれでも、自由に、使いやすく」というバリアフリーの考えに基づいて、平成18年にバリアフリー新法が制定されました。従来のバリアフリー法に比べると、対象者や対象場所が拡大され、駐車場や都市公園なども対象となっています。オストメイト対応のトイレもこのバリアフリー新法で基準とされるトイレに含まれています。